資格を持ち、イキイキと働く
姿がうらやましかった
もともとは私、本当に普通の主婦だったんです。パートはしていましたけど、正規でバリバリ働くっていうのはなくて。それが、30代後半でたまたま就くことになったのが歯科助手の仕事。全部で7年働きましたが、まさかそのまま歯科衛生士学校に通って資格まで取るとは(笑)。全然、夢にも思いませんでした。
助手も長年やっていますと、それなりに自分の中で「この世界のことを突き詰めたい」という気持ちが出てくるんですね。患者さんの口を触れるようになりたいとか、よりステップアップした業務に挑戦したいとか。ただ、どんなにやる気があっても、助手ではできることに限界があります。「もし私が患者だったらこうしてもらいたい」とか「私が歯科衛生士だったらもっとこうできるのに」とか。歯がゆい思いが、毎日の仕事を通して次第に強くなっていきましたね。
なかでもやりきれなかったのは、あとから入ってくる新人歯科衛生士たちが成長していくことです。最初はおぼつかない雰囲気でも、資格があれば責任ある仕事を任されますから、そのうち長く勤める私をどんどん追い越していきます。それは仕方のないことだとわかりつつ、正直うらやましくって……。
そんな話を周りにこぼしていたときに、ある知り合いから言われました。「もう、資格取っちゃったらいいんじゃないの?」。「えー!? 自分の子どもより若い子たちに混じってできるわけない」って目からウロコでしたけど、このままモヤモヤした日々を過ごし続けるのももったいない!思いきって家族に相談したところ、みんな理解を示してくれました。それで、新たな人生へと踏み込む大チャレンジをすることにしたんです。