きちっとマージンが合った補綴物を入れる。セメントを取り残さない。長いコアの除去も安全に行ない、必要な根管治療も行なっていく。これらを精密にやるのは、地味だけどすごく大事なことです。できていなければ、その結果は患者さんが受けることになります。「せっかく治したのに、どうしてまた同じところがむし歯になるの?」「根の治療をやり直さなければならないの?」って。永続性がある治療、つまり、やり直さなくて済む治療には、やはりサージテルが必要不可欠です。
実は矯正だけをやっていたとき、一般歯科に対して「不必要に削るリスクがある」とか「結局、再治療になる」とか、負のイメージを持っていたんですよ。でも、サージテルを使うことで永続性のある治療ができるんだ、患者さんを本当に良くできるんだとわかりました。負のイメージが消えてプラスに捉えられるようになり、治療がすごく楽しいものになりました。これが一番大きな変化ですね。
また、初診の患者さんに対して指摘や提案できることが大幅に増えました。以前は歯並びについてだけ話していたのが、話す内容が変わりましたね。今は、根尖病変があるからまずは根管治療が必要とか、専門医を紹介したほうがいいのかなど、その治療の難易度についてお話しています。歯周病がある患者さんについては歯周外科を含めた初期治療をしてから矯正とか、カリエスの応急処置をしっかりしてから矯正を始められるとか。根管治療や歯周外科、補綴についても以前より自信を持って相談に乗ることができるようになり、総合的な視点で提案できるようになりました。
補綴についても、歯並びによって難しくなることが多いと実感しています。主訴が歯並びでなくても、矯正をすることによって対合歯とのクリアランスがとれる、歯軸を整えられるなどのメリットを説明し、矯正治療を始める方もいらっしゃるようになりました。
さらに、去年から週に1回、大学の麻酔科へ研修に行っているんですよ。新たにやりたいことがどんどん出てきて。これまでの14年間の歯科医師人生で今が一番充実しているし、やりがいを感じています。
考えてみれば、もしあのとき水平埋伏した親知らずの抜歯がうまくいかなかったら、「矯正だけ」に戻っていたかもしれません。それがたった3年でここまでスピード成長できて、チャレンジもするようになれました。そういう意味で、すごくサージテルを活用させていただいていますね。