お父様の経営する実家に戻り、どんな医院をつくろうとしたのですか?

7年間の勤務医時代を経て、2009年に父が経営する中村歯科医院へ入りました。駅から少し離れた場所にあるので、初診の患者さんはほとんど来ません。高齢者が多く、クリーニングに来る人もまずいませんでした。それをわかっていてこの地に戻ったのは、口腔の健康を通じて地元の人たちの人生に責任を持ちたかったからです。
歯科医院は唯一、健康な人が通える医療機関。長期的に口腔内を健康にすることで、全身の健康につながっていきます。僕がやりたいのは、治療でマイナスをゼロにすることではありません。ゼロをプラスにし、さらにはプラスαにしていくこと! 健康になりたくない人なんていません。キレイになりたくない人もいませんよね。こちらがきちんと専門知識を持ち、その人に有意義な情報を提供していけば、どんどん欲求は高まっていくし、価値観も季節のように移り変わっていくんです。
痛いところだけ治すのか。よりよい10年後、20年後の口腔内をつくっていくのか。僕は絶対に後者ですね。目の前の患者さんを時間軸で見て、太くて深くて長い関係性を築いていきたい。それには予防型の医院をつくる必要がありました。