見えてようやくスタートラインに立てる
歯科医師になってからの5年間――。そのタイミングが一番、知識も技術もすべてにおいて吸収できる時期だといわれています。そこで拡大鏡を、特にサージテルを使っているかどうかで吸収の仕方がぜんぜん違ってくるんです。
サージテルを使う前と後では、完全に異なります。研修医のときは他社の2.5倍を使っていました。そのときですら裸眼と比べると「ぜんぜん見える」と思っていましたが、1年目の終わりに同期の先生に勧められたんです。「サージテルの8倍を使ってみなよ」「一度つけたら元には戻れんよ」って。
そんなに変わるの? と半信半疑でしたが、ちょうど試してみたい根管治療の症例があったので借りてみたら、すごく見える! その患者さんは治りが悪く、原因をつかめずにいました。でもサージテルの8倍で確認したら、一発でマイクロクラックが入っているのがわかって改善することができたんです。今までの見えるは、見えるじゃなかった。〝できたふり〞だったのかもしれない。そう気づいて、すぐサージテルの8倍に上げました。
若いうちから拡大鏡ありきの治療に慣れたほうが、絶対に有意義な時間を過ごせます。サージテルをつけて見える状態でやる。スタートの基準は、結局そこ。そうすることで圧倒的に成長スピードが上がるんです。見えていない中で感覚でやるのと見える中で確信を持ってやるのとでは、誰がどう考えたって後者のほうがいいに決まっていますよね。新人とかベテランとかは関係ない。見えてようやくスタートラインに立てるのだと思います。