世界レベルで活躍できる歯科医師を目指して
僕がアメリカに渡ったのは大学院へ進学するタイミングでした。歯科医師をしていた父の影響もあり、自分も同じ道を歩みたいと中学生のころから思っていたのですが、いよいよ大学を卒業となったときに「大学院へ進むならアメリカの東海岸の学校がいい」と周りから勧められたこともあって。英語は好き だったし、これからの歯科医師はワールドスタンダードでやっていかなければならないと父もよく言っていたので、進学先をボストン大学に決めたんです。
大学院卒業後はそのままアメリカに残り、ボストン大学とクレイトン大学で歯科学生の教育に携わりました。その間に歯周外科専門医としてのトレーニングも積み、2010年に自分のクリニックを開業して今に至るという感じです。
アメリカの大学院は、カリキュラム自体が「臨床にフォーカスしている」という印象ですね。日本の大学院では研究が中心ですが、アメリカでは実際に患者さんの口腔内の処置もします。
それに、大学院を卒業するときにはクリアしなければならない課題が80項目くらいあるんです。能力・スキル・適正も含め、現場へ出たときに歯科医師として高いパフォーマンスを発揮できるかどうか。そこをしっかり審査されるんですよ。
なかなか過酷な経験でしたが、学生のうちに臨床を体系的に学べたのはよかったです。いざ正式に歯科医師として働き始めてからの失敗が少ないし、失敗したときもなぜそうなるのかを自己分析することができましたから。